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2008年11月22日

壬生「フランケンシュタイン対地底怪獣」を見て思う

左:フランケンシュタイン、右:地底怪獣バラゴン
フランケンシュタイン
邦画で「フランケンシュタイン対地底怪獣」という作品がある。

1965年の作品で、この時代の東宝特撮はゴジラシリーズの成功もあってか脂が乗っている。
でも、ことゴジラ以外の作品となると、なかなか気が進まずレンタル屋でもスルーしてきた。
あの「マタンゴ」なんてウワサで聞くだけで怖そうで見る気がしない。

本文とは関係ありませんが「マタンゴ」予告編がナイスでしたので


「フランケンシュタイン対地底怪獣」も、スチールを見た事はあるけれど、ストーリーが怖いので見られなかった。

ネタバレだが簡単にいうとこんなストーリーだ。


終戦直前にドイツから広島に送られて来た「フランケンシュタインの心臓」が原爆で消失。だが不死の能力を持つ心臓は放射能の中でも死なずに、フランケンシュタインとして再生していた。放射能の影響で巨大化していくフランケンは、光や騒音に対しては敏感で、粗暴な一面も見せるが、人間には決して危害を加えない。一方、秋田油田で謎の怪地震が起こり採掘基地は壊滅。そこには発光する角を持つ巨大生物の姿があった。



地底怪獣は名前をバラゴンという。以前記事でとりあげたバランとは名前が似ているが関係はない。
このバラゴンとフランケンシュタインという怪物が別々の場所に時を同じくして現れ、やがて各地を移動しながらついに相まみえる。フランケンは人間を襲うバラゴンを倒すために戦うが、見た目がヒーロー然としていないので人間から見たら怪物同士の戦いにしか見えないのが皮肉だ。

結局、最後はバラゴンは倒されるのだが、突如起きた地殻変動でフランケンも地中に飲み込まれて生死不明。なんじゃこれはという終幕を迎える。

これは国内版のラストで、海外公開版ではなぜかラストが変わる。
バラゴンを倒したフランケンの前にいきなり湖から巨大なタコが襲いかかり、フランケン対大ダコの戦いがなんの脈絡もなく開始。ええええええ!と驚く間もなく、水中で苦戦し力尽きたフランケンは反撃もできぬまま大ダコと共に水中へ没する。

「終」

ええええええ!?
何コレ?

解説を読むと海外では大タコの特撮が評判を得て、人気のある作品なんだそうな。
でも、映画としてどうなんだろう。この終わり方。
いくら何でも・・・な幕切れだと思うんですけど・・・



と誰もが思ったのか、続編が作られた。
それが、
サンダ対ガイラ
左:サンダ、右:ガイラ

「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」
である。

サンダ対ガイラ


見てみた。子供のころ、怖い作品なんだろうと思っていたから勇気を振り絞って。

けど、ぜんぜん怖くない。クリーチャーのデザインは子供目線から見たら怖いかも知れないけど、いやいや、正統な怪獣モノに仕上がっていました。

前作のフランケンシュタインが生身の人間にメイクしただけだったのに対し、今回のサンダとガイラは着ぐるみ。造形がしっかりしているだけでなく、特撮も見せ場が多く、とても前作の1年後に製作されたとは思えないクオリティーだ。

前作の設定は引きずっているものの、全く同じ役柄で出ているのは水野久美のみだが役名が戸上李子→戸川アケミに変わっている。 ニック・アダムス演ずるジェームス・ボーエン博士も、高島忠雄演ずる川地堅一郎も出て来ないが、ほとんど同じ位置づけのキャラクターとしてスチュワート博士( ラス・タンブリン )と間宮雄三 (佐原健二 )が登場し、フランケンを追う一般人3人組としてストーリーを牽引する。

冒頭は、またもや大ダコが登場し漁船を襲う。前作のラストで突然登場したあの大ダコと同一だろうか。いや、そうであってくれ。
前回は大ダコとフランケンの対決は雌雄を決する寸前で2体とも湖に没し、幕を閉じた。その後は想像するしかなかったのだが、その答えが本作の冒頭にある。
この大ダコを倒すのが、海のフランケンシュタインの怪獣、ガイラなのだ。

それに対して、前作のフランケンシュタインは山の怪獣、サンダとして登場する。生きていたという事は前回の大ダコとの対決はやはり決着は付かなかったようだ。サンダの細胞が川で削り取られ、再生したものがガイラという訳だ。
つまりはガイラはサンダのクローンだという事になる。1966年の考証としてはナカナカ先進的だ。
そして、ガイラは水のある場所で再生したため、海や湖などの傍で生活できるような体組織の構造を持つようになった。全身が鱗で覆われているのも海に適応するためだ。そういった設定からも、フランケンシュタインの細胞の持つ適応能力の高さや、不死身さが傍証される。フランケンシュタインは大ダコに苦戦し、湖中に没した。その細胞から水中を自在に行動できるガイラが生まれ、大ダコに雪辱を果たした訳である。憎い演出である。

で、この映画のいい所は何かっつうと。

自衛隊。これに尽きる。

メーサー殺獣光線車の特撮。隊員の皆さんの作戦に従事する姿。
リアルで、且つ重厚な演技と、
東宝が当時培った特撮技術がミックスされ、
今見ても新鮮な対怪獣戦が展開される。

音楽は巨匠、伊福部昭。伊福部節がドラマに花を添えます。

ガイラとサンダは自衛隊の攻撃の中で惹かれるように出逢う。2体は同族の連帯感から一時行動を供にするが、温和なサンダに対し、ガイラは凶暴な肉食獣となっていた。人間を食べるのだ。サンダは怒り、ガイラと戦うようになる。

で、ラスト。この2体のフランケンシュタインの対決や如何に?
またまた、大ダコか?と思いきや・・・
ぜひぜひ、あなたも確認してください。
なかなか骨太な作品です。

バカな文:壬生映「フンガー」


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posted by Dyon at 01:04| 神奈川 晴れ| Comment(0) | TrackBack(1) | Dyonメンバーのダラダラ噺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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